確定申告後のnanaco支払ができなくなるって本当なの?

2020年02月26日税金・保険・年金

前回、確定申告のあとの所得税納付をnanacoで支払ったことを記事投稿しました。

その後、nanacoの税納付について「できなくなる」というブログを見つけてしまい、気になって気になって仕方がなくなったので、僕なりにも調べてみることにしました。

2019/11/27更新
WAONによる収納代行が2019年11月17日をもって終了となりました。残念…

2020/02/26更新
2019年分の確定申告をして、無事にnanacoで支払いできました。まだ大丈夫です。

今年の納付はnanacoで問題なくできたのですが…?

今年の確定申告。申告後の所得税納付はnanacoで支払できました。
今回は何の問題もなかったのですが、 以下の 「とら」様のブログ投稿を見つけました。

拝見したところ、国税庁のサイトにはQRコードのコンビニ納付もバーコードのコンビニ納付も、両方とも「電子マネーはご利用できません」の記載があるとのこと。
僕も確認してみましたが、確かに記載されていますね…。
 参考資料:国税庁-[手続名] コンビニ納付(QRコード)
 参考資料:国税庁-[手続名] コンビニ納付(バーコード)

また、税務署に問い合わせして確認されたとのことですから、とても信ぴょう性の高い情報です。
2019年は大丈夫だったけど、2020年以降はnanaco支払いできなくなる可能性がある、ということになります。

セブンイレブンの見解はどうなんでしょう?

国税庁は「電子マネーNG」と言っているわけですが、じゃぁコンビニ側はどう言っているんでしょうか?
ということで、まずはセブンイレブンのサイトを確認してみることにしました。

 上の画像の引用元:セブンイレブン「電子マネー、クレジットカード等支払い可否一覧表」

バーコード付き納付書で支払うことは、一般的には「収納代行」と呼ばれています。
該当ページでいうと、3番目の「公共料金・通信販売等収納代行サービス」、5番目の「上記以外のインターネット代金収納サービス」あたりが該当する欄になるといえます。
いずれもnanacoの欄に○がついていますので、支払可能ということになります。

セブンイレブンとしては、収納代行サービス全般はnanacoによる電子マネー支払が可能としているので「今年はnanaco支払ができた」と考えられますね。

他のコンビニについても確認してみよう

QRコードによるコンビニ納付として、ローソン、ミニストップ、ファミリーマート、で支払うことができると国税庁のサイトにあるので、その3社のサイトも確認してみました。

ローソン

該当のページはこちらです。 ローソン「ご利用いただけない商品・サービス」

現金のみのサービスとして、1番目に「収納代行票支払い」、2番目に「一部のLoppi取次サービス」とあります。
QRコード納付は、「Loppi」や「Famiポート」といったコンビニに設置された端末から納付書を出力する方法になるので、「Loppi取次サービス」にあたると考えられます。

「一部の」となっているところが微妙なところですが、ローソンとしては、QRコードでもバーコードでも現金のみで、電子マネーによる支払いはできない、ということになります。

ミニストップ

該当のページはこちらです。 ミニストップ「ポイント付与と利用に関して」

WAONカードの決済可否の列を見てみると、6番目の「収納代行」は○がついていて、いちばん下の「MINISTOP Loppi その他サービス」は×がついています。

ミニストップとしては、国税庁のサイトのとおりQRコードによる納付はWAONによる支払いはできないけれど、バーコード付き納付書による支払いは「収納代行」になるので、WAONによる支払いができる、ということになります。

2019/11/27更新
WAONによる収納代行は、2019年11月17日をもって終了となりました。

ファミリーマート

該当のページはこちらです。 ファミリーマート「電子マネー」

ページ下部の「お支払できない商品」のところを見ると、1番目に「公共料金等の各種代金お支払い」、2番目に「Famiポート取扱い商品・サービス」とあります。
ファミリーマートとしては、QRコードでもバーコードでも電子マネーによる支払いはできない、ということになります。

ですが、例外を見つけました。ファミマTカードです。
該当のページはこちらです。 ファミリーマート「カード・ポイント ポイント早見表(貯まる)」

ファミマTカードの列を見てみると、11番目の「各種代金お支払い・収納票発行……」は×ですが、7番目の「代行収納」には○がついています。
なので、QRコードによる納付はダメだけど、バーコード付き納付書であれば、ファミマTカードによるクレジットカード支払いができて、なおかつTポイントが貯められる、ということになります。

元IT関連業として、システム的な観点から考えてみよう

以下、ちょっとマニアックな内容になります…。
前述の「とら」様が某税務署に問い合わせしたところ、

国税庁からの指導により、全国的に電子マネーでの支払いは今回から(2019年の確定申告分)できなくなったそうです。

引用元:改善と成長~資産の仕組み作りから~ 2019年の確定申告はnanacoのテクニックは使えない!?

という回答を得たとのことです。
これを読んだとき、僕はリタイア前にIT関連の会社で仕事をしていたこともあって、システム的な観点から見てしまいました。

 バーコードの中に「所得税の支払いですよ」という情報って入ってるのかな?

「所得税は電子マネーNG」とシステムが判断するには、バーコードを読んだときに「これは所得税」「これは所得税じゃない」を判断できないといけません。それがわからないと、システムが電子マネーをOKとするのか、NGとするのか、の判断ができません。

要するに「所得税は電子マネーNG」の対応をするには、バーコード内に「所得税か?」の情報が入っていないとシステム対応できないんです。

バーコードの仕様を調べてみました

気になってしまったからには、ということで、納付書のバーコードの仕様を調べてみました。

コンビニの収納代行に使われているバーコードは「GS1-128(旧:UCC/EAN-128)」という形式でした。

 上の画像の引用元:流通システム開発センター「料金等代理収納システム」

コード体系は全44桁。この中で「所得税か?」情報を含む可能性がありそうなのは、②企業コード6桁と、③自由使用欄の21桁でしょうか…。
今回、税務署で発行してもらったバーコード付き納付書のバーコードと見比べて、可能性を考えてみました。

企業コード

固定の6桁が設定されていました。企業を示すコードなので「国税庁」を示すコードが設定されていると考えられます。
このコードで「国税」であることはわかりそうだけど、「所得税」かどうかは判断できなさそう…。

自由使用欄

自由使用欄なので、国税庁が仕様を決めているはずです。なので仕様を推測するしかありません…。

今回の納付書のバーコードを見てみると、9~16桁は整理番号でした。これは支払者個人を特定するための情報ですね。
残りは1~8桁目と17~21桁目ですが、納付書のいろんな欄に書かれている数値と見比べてみても一致する数値がないので、これが何を意味する数値なのか、判別ができません。

納付書の「税目番号」の欄に「320」と記載されているんですが、これがバーコード内に含まれていなかったので、「所得税」かどうかの情報は入ってないかもしれません。(あくまでも僕の推測です……)

必要な情報は入っている模様 あとは…

上記の(心もとない)調査から推測するに、バーコードには「国税庁」という情報が入っていて「国税」であることは判断できそうですが、「所得税」かどうかの判断は難しそうです。
「所得税」に限定するのではなく、「『国税』の電子マネー支払は不可」とするのであれば、バーコードから判断することはできそうです。

バーコードに情報が入っていそうだ、ということがわかったところで、あとは「コンビニ側がシステム対応するか」です。
今年はnanaco支払いできた、ということは、現時点でシステム対応はされていないということになります。今後、その「国税庁からの指導」に応じてレジのシステム対応を行ったとすれば、そのときはサイトの情報が更新されるでしょうから、セブンイレブンのサイトで公表される情報をこまめにチェックしていかないといけないですね…。

まとめ

セブンイレブンのサイトで公表されている情報と、「今年はnanacoで支払いできた」という事実から判断すると、今後の確定申告後のnanaco支払いについては、「セブンイレブンのサイトで『収納代行の支払いOK』となっていれば、nanaco支払できる」と言えるのではないでしょうか?
バーコードの仕様から考察すると、システム対応できそうな情報を含んでいるようなので、今後「国税の収納代行サービスはnanaco支払NG」となる可能性は否定できません。

nanacoやWAONで支払いができるかできないか、という話題は毎年のようにあがるでしょうが、それはコンビニ側がシステム対応したかどうか、にかかってきます。
システム対応すれば、コンビニ側もサイト情報を更新するはずです。
今後は、国税庁のサイトだけでなく、コンビニ各社のサイトもこまめにチェックしていくことをお勧めします。