在宅酸素療法の機器がウチにやってきました

親父について

「酸素濃縮器」っていうんですね。これがいろいろあって親父用としてウチにやってきました。
なので、その経緯をまとめていきます。

酸素濃縮器がウチに来るまで

それまでの経緯

親父が脊柱管狭窄症の関係で要介護認定を受けていることは、以前に書きましたが、実は数年前に肺ガンの手術を受けています。その際に肺の一部を切除していて、術後も経過観察ということで、3ヶ月ごとに通院中です。
通院のたびに血液検査を受けているのですが、そこで主治医の先生から話があったのが「アルブミン」値。徐々に落ちてきている…と。親父は「食事はちゃんと取ってます」というけれど、体重も少しずつ減ってきている感じです。
いくつかの原因が考えられるけれど、可能性が高いのは…、と先生から説明を受けたのは以下の感じ。

 ・呼吸で得られる酸素量が少ない(肺を切ったのだから当然)
 ・酸素が少ないなりに体はガンバる
 ・ガンバると、栄養素を消費する
 ・アルブミン値(タンパク質量)が下がる

取り込む酸素量が少ないのが原因で「常に高地トレーニングをやっているようなものですよ」って言われました。なるほど、ちょっと動いただけでも高地トレーニング、っていうんじゃぁ体重も栄養素も減りますわな。

ということで、「在宅酸素やってみますか?」と提案されたわけです。

機器導入は決めたけど…?

「じゃぁお願いします」ってことでお願いしたはいいけれど、機器を導入するには原則的に数日間の入院が必要とのこと。で、その際に「個人に合わせた機器調整や操作方法のレクチャー」をすると説明を受けました。その後は入院の調整をしていたのですが、このご時世ですから、入院の予定が決まっては延期決まっては延期を繰り返しました。

かれこれ1ヶ月近く延び延びになったころ、親父が「もういい加減、入院ヤダなぁ」とダダをこね始めました。呼吸器に不安があるのですから、このご時世の入院に不安を感じるのは当然ですよね。
で、主治医の先生から連絡を受けた際に、そのことを相談。

 あき「親父が『入院したくない』ってダダをこねだしました…」
 先生「あらら…」
 あき「まぁコロナの不安も当然ですけど『在宅酸素の効果がわかんない』というのもあるんじゃないかと…?」
 先生「と言いますと?」
 あき「酸素を吸ったコトがないから効果がわからない。その経験がないから不安の方が勝っちゃうんだと…」
 先生「なるほど………。………、じゃぁお試して1ヶ月間やってみますか?
 あき「え? いいんですか?」
 先生「こっちで業者の手配を進めますね。後日あらためて業者の方から連絡がいきますんで…」
 あき「はぃ…。じゃぁよろしくお願いします。」

だいたいこんな形で話は進み、 お試しで1ヶ月ほど在宅酸素の機器を導入する運びと急遽きまりました。 本来は「入院してから導入」が原則だけど、こんな時だから特別に…、といった感じなのでしょうか?

酸素濃縮器がやってきた

業者(テイジン)さんが来た

主治医の先生と電話をしたその当日、業者(テイジン)さんから電話あり「翌日にお持ちします」とのこと。行動が早い。いや、速い
そして翌日、約束の時間に担当者がやってきました。
置き場所を僕が指定すると、素早く機械を設置していきます。来たのがコレ。
ハイサンソi
(テイジンの当該ページは医療関係者専用サイトのようなので、リンクは、関係者外でもアクセス可能なサイトにしています)

機器の画像

大きさはストーブくらい、といったところでしょうか?
緑色のチューブの先が、吸入口になっています。酸素スプレーみたいなカップ状のものではなく、鼻から吸うタイプで「カニューラ」というのだそうです。初めて知りました。

カニューラの画像

そして酸素ボンベも導入、とのことでした。自宅でお試し、なので外出時に使うようなボンベがやってきたのは、僕としては想定外でした。

いろいろ説明を受けた

担当の方から、機器のしくみ、操作方法、メンテナンス方法、費用や支払い方法、などひととおりの説明を受けました。

この機器は空気から酸素を作るので、ボンベを交換するようなことは必要ありません。仕組みとしては、この機器が吸った空気から窒素を抜いて、高濃度の酸素(たしか90%って言ってたと思う)を作り出すんだそうで。

カニューラは、穴の部分を鼻にあてて、両側のチューブを耳にかける形で装着します。「酸素を鼻に送る」のではなく「吹出口の周りの酸素濃度が高くなる」というのが正しい表現だ、とのこと。吹出口周辺の酸素濃度が高いから、口から息をしても効果がある、ということなんでしょう。

操作方法は、電源をON-OFFだけ。酸素流量の設定は変更可能なんですが、変更が必要なことはあまりないので、基本は電源操作だけです。
担当者さんは「日中は2リットル/分、就寝時は1リットル/分、と指示を受けてます」
と言われて、2リットルの設定に。(設定は上下のボタンでいつでも変更できます)
主治医の先生からは、設定値については特に聞いてませんでしたが、お試し期間として無難な設定値を決めてくれたんでしょうね。まぁそういうことなんだろうな、と勝手に納得。

費用面については、機器は「病院の持ち物」で、支払はすべて病院に対して行うとのこと。来院の際の会計時に払う形になる、と説明を受けました。業者(テイジン)さんへの支払いは一切発生しない形です。今回は、機器とボンベのセットなので、下の画像でいうと真ん中のプラン。親父は1割負担なので 月額7,380円

酸素ボンベについては、停電した時などの非常時に使う用、とのこと。
お試し期間だし、外出時に引いて歩く想定はしてないので、使うことはないのかな…。
だけど「必要ないので機器だけにしてください」とは言えず、そのまま受け入れました。

あと説明を受けたのは、メンテナンス方法と諸注意など。

 ・カニューラのチューブは、肌が触れる部分は水を含ませたティッシュで水拭き。オススメは毎日。
  (肌の脂分が影響して、硬くなったり変色したりしちゃうらしい…)
 ・それでもチューブは変色してしまうので、その場合は交換。予備はあと2つあり。
 ・カニューラの補充、酸素ボンベの交換は、専用のフリーダイヤルあてに電話。翌平日にお届け。
 ・吸入時は火気厳禁。 (これ相当重要

設置と、内容が書かれた冊子を見ながらの説明で、だいたい40分程度でしょうかね?
内容はこんな感じでした。
(冊子は内容がわかりやすいし、後から見直して確認できるので便利です)

酸素を吸ってみる 親父の感想は…?

機器が来てからは「少し動いたあとの息切れの時に使えば、その回復にかかる時間が短くなるよね」という想定のもとで、動いた後に電源ONで使ってみたものの、
 親父「あんま変わんない気もするし、よくわかんねぇな…」

効果を実感してもらうための「お試し導入」なんだけどなぁ…。(悩)

で、導入から1週間後くらいに主治医の先生から電話があって、「先に吸っておいてから動く方がいいですよ」とのこと。血中酸素濃度が低くなるのが問題だから、先に吸っておいて低くなりにくくする、ということなんでしょうね。なので、それからは、いつでも動けるように、と日常的に吸っている感じになりました。
とりあえずは予定の1ヶ月間、日常的に吸って生活してもらって、それで血液検査の値が改善されてたりすれば、効果アリと判断できるのかなぁ、といったところでしょうかね。

でも、当の本人は相変わらず、
 親父「効果があるのかないのか、よくわかんねぇ
って言ってます…。
さて、今後どうなることやら…?